2014/11/21(金) 心斎橋CLUB DROP

半年間の時を経て、ついにDEAD WESTの王者が決まる。
長いようであっという間、そして濃い半年間。
最初から最後まで、誰一人として手を抜いた瞬間はなかった。
DEAD WEST、最後の1日をここに記す。

DEAD WEST最後のバトルを見ようとOSAKA MUSEへ詰めかけた、たくさんのファン。
若干の緊張が感じられるスタート前の会場を和ませたのは、前説のふたりだ。もうすっかりお馴染みとなった、DEAD WEST公認非公式キャラクターと、メビウスのVo.トモヤが幕前に現れた瞬間、笑いが沸き起こる。
この日を盛り上げるべく声出しをすることになり、DEAD WEST公認非公式キャラクターが選んだワードは「白●!!」「マルー!」だった。

トップバッターは、DEAD WESTとともに産まれ、DEAD WESTとともに歩んできた、AL。ひとりひとり拳をあげ、声を出しながら登場する彼らは、闘志の炎を大きく燃やしてステージに立っていた。
Vo.裕丞がGt.SHINTAROの頭に猫耳カチューシャを装着させて始まった1曲目“BLACK CAT”。まるで黒猫の動きのようになめらかなGt.SHINTAROのソロと、どのバンドのファンも楽しく踊れるくらいに浸透した振り付けが魅力だ。終始笑顔で楽しそうにドラムを叩くDr.Riz(Support)が印象的だった“Avenir Trigger”を終えてのMCで、Vo.裕丞は「4月にOSAKA MUSEで始動ライヴをさせてもらったんですけど、その時はそわそわしてたりとか、今よりもなんか若くて(笑)。今はみんなのおかげで成長できていると思うから、ありがとう」とファンに感謝の言葉を贈った。3曲目は始動ライヴの思い出の曲D’ERLANGER のカバーで“LA VIE EN ROSE”。ALにとてもよく似合う曲でありながら、ファンの世代のことを考えると知らない人も多かっただろうが、事前にメンバーがTwitterなどで「サビの“ローズ!”のところは一緒に歌ってね!」と予習を呼びかけていた甲斐があったようで、大いに盛り上がっていた。
Ba.淳(Support)の轟くようなベースから始まる“Day break”、AL流ダンスチューン“Disco「HELL」”とクライマックスに向けて駆け抜け、4人はすべて出し尽くしたといった表情でステージを終えた。

幕間にもトークが入る豪華な仕様のDEAD WEST TOUR ’14ファイナル、次に登場したのはメビウスからDr.白と、またしてもDEAD WEST公認非公式キャラクター。お酒の話をきっかけに、話題はメビウス忘年会の告知へ。なんとも気の利くキャラクターである。

メンバーコールがどこよりも大きかったメカクシは、1曲目“きさらぎ駅”からトップギア。さすが自らを“全力のライヴバンド”と称するだけあって、冒頭からものすごい熱量を感じる。Vo.浚ヤの身体から無限に湧き出てくるシャウトが、ヘヴィなサウンドにうまくはまっている“アリス症候群”。Dr.ちゃりのりの迫力あるドラムに合わせてファンがヘッドバンキングをしたかと思えば、今度はモッシュに合わせてステージ上を躍動的に走り回るBa.やひろに目を奪われる。“パラノイア”では、Gt.風輝の目にも留まらぬ速弾きソロが会場中に響き渡った。タイトルコールと共に起こったファンの歓声で始まった“午前2時ノ病”では、まるでメカクシの音楽に操られたかのように動くファンが印象的であった。そして彼らの想いが詰まったメカクシの代表曲、“扉-とびら-”を終える頃には、何とも満足気な表情と雰囲気で会場がいっぱいに。今その瞬間、全力を出し切って命を削る彼らメカクシのパワーを強く実感させられた圧巻のステージであった。

次に幕間で登場したのは、ALのVo.裕丞とumbrellaのGt.柊だ。メビウスのDr.白は友達が居ないという話から、魚の食べ方の話まで、幅広い話題で楽しませてくれた。

ミステリアスなSEとともに登場したメビウスの1曲目は、先日リリースしたばかりの “定説イノベーション”。曲が始まる前にドラムの前に集合し、気合入れをする4人。Dr.白は正式メンバーとなったばかりだが、結束力はどこにも負けないという気迫を感じた。次に披露された“覚醒謳歌”では、毎回始まる前に、みんなで叫ぶ部分の説明があったのだが、今回は特に説明なしで演奏が始まった。これもDEAD WESTで積み上げてきた自信とファンへの信用の表れではないだろうか。全員がキラキラとした笑顔を見せていた“unleash”に続いて、“live up!!”へ。メビウスの魅力でもある自由さゆえに、当初は少しバラけて見えることもあった彼らのステージ。しかし、この日のメビウスは違った。相変わらずひとりひとりが好きなように表現をしているのだけれど、しっかりと4人でまとまってひとつのステージを作り上げ、ファンも彼らを信用してその音楽に付いていく。そんな空間を見ることができた。

続く幕間は、メビウスのVo.トモヤとメカクシのBa.やひろのトーク。ひたすらゆるい会話は、楽屋トークのようで、どうやら皆さん癒された様子。

幕が開くと同時にGt.柊のアコースティックギターが奏でられ、囁くようなVo.& Gt.唯の歌声に、会場が静まり返る。“微熱”の一音目から、ライヴハウスという入れ物がumbrellaの空気で満たされる。思わず息を止めてしまう、密度の濃い空気。ゼリーの中に沈んでいくような感覚は、彼らだけが作り出すものだろう。ミラーボールが回り出し幻想的な雰囲気の中で演奏された“月”、そして“流星群”。唄モノでも決して弱くはなく、どのバンドよりも呼吸で演奏をしているumbrella。“東へ”では彼らの信念が、音楽を通し、説得力を増して伝わってきた。「最後くらい暴れていこうか!」とVo.& Gt.唯が叫んで演奏された最後の曲は“非「情」階段”。Ba.春が大きく身体を揺らし、髪を振り乱しながら演奏する。音が激しさを増していく中で幕が閉まっていき、演奏が終わるとしばし静まり返った後、大きな拍手が起こったのだった。

ゲストアーティストである、パノラマ虚構ゼノン。赤のきらびやかな衣装に身を包み、Vo.獅子がステッキを振りかざしてヘッドバンキングを促した“Ms.Sycthe-ミスサイス-”や、デジロックを感じる“WHITE OUT”で会場を一気に惹きつける。そしてまさかのWODでオーディエンスがぶつかり合った“ブラッディ・メアリ”など、5曲があっという間に終わってしまったような疾走感あるパフォーマンスを見せてくれた。

本日のトリを飾ったのはゲストアーティストのカルディアだ。各々のキャラクターの濃さが登場した瞬間から目立っていた彼ら。“Volo moriar”ではBa.色がステージから降りてきてフロアをかき回すなど、自由奔放に暴れまわる。どこまでもヘヴィでダークな音楽に、Vo.GABの強烈な存在感が目に突き刺さるようで、目が離せなくなってしまった。特に“さよならバイバイ”での妖艶な動きは、取り憑かれてしまいそうで恐怖すら感じるものだった。

ゲストアーティストの演奏も終わり、ついにDEAD WESTの王者が発表される時がやってきた。結果は、umbrellaの圧勝。しかしそこに至るまでには、本当にさまざまなドラマがあったことを忘れてはならない。またそれは、DEAD WESTを見つめ続けてきた皆さんしか知らない、大切な物語なのである。
ラストのセッションでは、結果発表などなかったかのように4バンドが和気藹々と入り乱れ、笑顔の中でDEAD WESTは幕を閉じた。

(Report:田端 郁)

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